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ワインとコルク

ワインをよい状態に保つため、その保管場所には、 充分な湿度と適正な温度を保たなければいけません。しかし、ワインの保存に適しているといわれる 温度15度、湿度70%以上の環境下では、高湿度のために、カビが発生してしまうことがあります。

しかし、ワインコルクの病気であるブショネなど、細菌により、なんらかの原因が発生し、ワインに異常をきたす場合もあります。以下におおまかにワインがかかる3つの病気についてご紹介いたします。
(1) 腐敗臭がある → 醸造の失敗
腐敗臭のたぐいの臭い、硫黄、メルカプタンガス(どぶの臭い)などは、醸造過程において、なにかの場面で適切な処理が行われなかったために発生する臭いで、ワイン全体にこのような腐敗臭が混ざりこみます。ボトリングされて時間が経っても消える事はなく、果実の香りはなくなり、味そのものも抜けたような腰のない状態になります。

コルクを開けた時、この臭いはすぐに分かります。そのワインの飲み残しを放置しても、この臭いはずっと残り、1週間後でも2週間後でも明らかにそれと分かります。

(2) ブショネ(コルク臭)がある → コルクについた細菌混入が原因
ゴムや蒸れた長靴、濡れ雑巾などの臭いがします。一般にいわれる、コルクの細菌で出てくるブショネと呼ばれている不快臭は、(1)腐敗臭とはまた違った臭いがし、味は酸、渋みなどぼんやりした感じになり、果実味はなくなります。

コルクを開けた時、この臭いもすぐに分かります。これらの病気のワインは飲み残しを放置しても、この臭いはずっと残り、1週間後でも2週間後でも明らかにそれと分かります。(時間の経過と共に、よりはっきりとこの臭いが出てくる事もあります。)


(3) 高温保存による変敗 → 輸送・保管の過程で発生
長期的に熱などに侵され、変敗しますと、香も臭いも抜け殻のようになり、臭いも果実の香もほとんどない状態になります。味わい自体は、果実味は感じられず、ざらざらとした渋みと口に長残りする苦味が特徴です。酸っぱくなったりしませんが、全体がフラットな感じとなります。




健常なワインも一度口を開けると、ワインは空気に触れた瞬間から、勿論徐々に酸化していくのですが、開栓し空気に触れたせいで酸化したものと、上記3つの傷んだワインがより酸化したものとは、はっきりと違いがあります。

健常なものなら、空気との接触で酸化が進むと、香りがぐっと開いてきて、タンニンや酸味がまるくなっていきます。それから時間の経過と共に少しづつ果実味が失われ、最終果実味はなくなってシェリー酒のような、胡桃や日向の臭いになっていきます。

しかし、上記3つの不快な症状はなく、最初の段階から比較すると、「あんなに若々しかったのに、あれから日に日に衰えてしまったなぁ・・・。」という感じになるのです。
病気で顔色が悪くやせこけているのと、年を重ねた為に、しぼんでいくのとの違いとでも申しましょうか。

最初飲んだ時に、渋みや酸味がトゲトゲしていますと、傷んでいるような不安な気持ちになるものですが、時間とともに上記3つの病気にかかっていなければ、最初は閉じていても、ちゃんと後から風味が開いて来ますので、ボトルをおいて様子を見る事もワインの本性を知るよい経験となります。


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